エキスパート

このタブにあるパラメータは、クロス機能がクロスシミュレーションを実行する時の解析方法を指定します。たとえばサブサンプリングや質量などは、クロスシミュレーションの基本となるパラメータで、クロスタグにある他の全てのパラメータに影響を与えます。

サブサンプリング[1..100]

この値は、クロスシミュレーションを1フレームの内に何回実行するか指定します。一般的に、衝突などの現象は1秒の何十分の1という短い時間でクロスオブジェクトを大きく変形させますが、Cinema 4Dは1フレームにつき1回しかアニメーションを計算しません。これでは間隔が粗すぎます。そこで、クロスはダイナミクスと同様に1フレームにつき数回のシミュレーションを実行できるように設計されています。この数字を大きくすると、シミュレーションはより正確になりますが、その分計算速度や再生速度が遅くなります。

自己衝突

このオプションを使えば、クロスオブジェクトが自身のポイントに対して衝突するようにできます。これは、シミュレーションが再生されたときに、クロスが自身のサーフェイスを貫通する状況を防ぎます。このオプションがオンの場合にソルバーが実行しなければならない計算量の理由ゆえに、エディタビューにおける再生が遅くなる場合があります。極端な力がクロスオブジェクトに適用されている場合は、その極端な力が原因となって交差が生じる場合があります。代わりに相互反発(力タブ)を使うか、あるいは相互反発(力タブ)を併せて使用することによって、クロスの交差を回避する助けとなります。

衝突解析を続行する

アニメーションにおいて、意図的または偶発的に、キャラクターの腋の下のような狭い部分がクロスオブジェクトと交差してしまう場合があります。これは、クロスが解を見つけられず計算が止まってしまう原因になります。「衝突解析を続行する」オプションをチェックしておくと、そのような問題が生じた時でも適切な解が生成され、シミュレーションを続行できます。

衝突判定に関する設定

シャツはキャラクターの体に、テーブルクロスはテーブルに、というようにクロスは大抵なんらかのオブジェクトの面に衝突(接触)しているものです。クロスシミュレーションの過程で、クロス機能は莫大な数の要素(ポイントやエッジ、ポリゴン)に対して衝突を計算しなければなりません。ここにあるオプションを使うと、計算に含める要素を限定できます。デフォルトではポイントとエッジ、ポリゴンの全てがチェックされていますが、一部の要素に関する計算を省略させることもできます。これによって計算速度を速くできます。

ポイントを衝突判定する

このオプションをチェックすると、クロスオブジェクトに含まれる全てのポイントについて衝突が計算されます。たとえば、クロスオブジェクトのポイントが衝突オブジェクトのポリゴンにぶつかった場合、そのポイントは衝突オブジェクトの手前で反発し、突き抜けることはありません。

ポイントの衝突検知距離[0..+∞m]

この値は、クロスオブジェクトに含まれるポイントの周りを取り囲む仮想的な球の大きさを指定します。この値を大きくするとこの球が大きくなり、クロスに含まれるポイントが衝突オブジェクトの手前で反発するようになります。衝突判定がうまく働かず、ポイントが衝突オブジェクトを突き抜けてしまう場合は、この値を大きくしてみてください。

エッジを衝突判定する

このオプションをチェックすると、クロスオブジェクトに含まれる全てのエッジについて衝突が計算されます。たとえば、クロスオブジェクトのエッジが衝突オブジェクトのポリゴンにぶつかった場合、そのポイントは衝突オブジェクトの手前で反発し、突き抜けることはありません。

エッジの衝突検知距離[0..+∞m]

この値は、クロスオブジェクトに含まれるエッジの周りを取り囲む仮想的な円柱の大きさを指定します。この値を大きくするとこの円柱が大きくなり、クロスに含まれるエッジが衝突オブジェクトの手前で反発するようになります。衝突判定がうまく働かず、エッジが衝突オブジェクトを突き抜けてしまう場合は、この値を大きくしてみてください。

ポリゴンを衝突判定する

このオプションをチェックすると、クロスオブジェクトに含まれる全てのポリゴンについて衝突が計算されます。たとえば、クロスオブジェクトのポリゴンが衝突オブジェクトのポリゴンにぶつかった場合、そのポリゴンは衝突オブジェクトの手前で反発し、突き抜けることはありません。

ポリゴンの衝突検知距離[0..+∞m]

この値は、クロスオブジェクトに含まれるポリゴンの周りを取り囲む仮想的な立体の大きさを指定します。この値を大きくするとこの立体が大きくなり、クロスに含まれるポリゴンが衝突オブジェクトの手前で反発するようになります。衝突判定がうまく働かず、ポリゴンが衝突オブジェクトを突き抜けてしまう場合は、この値を大きくしてみてください。

制限先:

クロスシミュレーションにおいて、このフィールドにリンクされたオブジェクトに対してだけ衝突判定が計算されます。ここが空欄の場合、すべてのオブジェクトが対象になります。多くの場合、1つのシーンには複数のクロスオブジェクトと衝突オブジェクトが存在するものです。このフィールドは、たくさんある衝突オブジェクトの中から実際に使う衝突オブジェクトを限定し、計算速度を速くしたり、ダミーを使った特殊な衝突を表現するためにあります。クロスエンジンは、以下のCinema 4Dのパーティクルシステムとも働きます。

メモ:ルールとして、もしもいくつかの「力のオブジェクト」がお互いの上に位置している場合には、これらのエフェクトが掛け合わされます。ただしケースによっては、お互いに力の中和または増幅を行う結果になることもあります。