Team Render

始める前に: 下に説明するオプションは、複数のコンピュータでTeam Renderを使用して1枚の画像(アニメーションではありません)をレンダリングする時に使うものです。

レンダリングの間は、様々な機能でキャッシュが使用されます。キャッシュとはデータを集めたもので、レンダリングの間に一時的に保存(キャッシュ)され、例えば、GI(イラディアンスキャッシュ)の中にも、SSS: 内部拡散反射の キャッシュモードの中にもあります。

Team Renderを使う時には、ここで説明するオプションで、全てのコンピュータで一緒に作業を行って1つのキャッシュを計算し(オプション有効)、その後このキャッシュを使ってレンダリングを行うか、または、それぞれのコンピュータがそれぞれのキャッシュをレンダリングするか(オプション無効)を決定します。ほとんどの場合、1つのキャッシュについて全てのコンピュータで一緒に作業を行う方がレンダリングは速く行われます。また、うまくいくと、全てのコンピュータで同一のレンダリング結果を得ることができる場合もあるため、全てのコンピュータで同一のキャッシュをもっている方が望ましいです。他方、それぞれのコンピュータでそれぞれのキャッシュを計算する場合は、異なるレンダリング結果により、不正確なレンダリング結果が様々なキャッシュに生じる場合があります。これは、出力画像に、バケットの境目(それぞれのコンピュータがレンダリングする正方形の領域)が認識できることになります。

一般には、これらのオプションを有効にしておくことをお勧めします。では、どのようなときに無効にすれば良いのでしょうか?

Team Renderを使う場合、作業に関連するコンピュータがお互いの調整を行うのにしばらく時間がかかります。特に、とてもシンプルなプロジェクトの作業を行う場合には、この「オーバーヘッド」となりそれぞれのキャッシュ計算を行う時よりも長い時間がかかることがあります。例えば、イラディアンスキャッシュの計算が1台のコンピュータを使うとたった2、3秒で済んでしまう場合、全てのコンピュータを使ってこんな作業をするのはおかしいと思うでしょう。この場合、対応するオプションを無効にすることができます。

大体において、これらのオプションを有効にすることがそのプロジェクトにメリットがあるかないかを判断すれば良いのです。

Team Render Server(Team Renderを起動したコンピュータ)が現存キャッシュファイルにアクセスすることができ、対応するキャッシュ設定で自動読み込みが有効になっていれば、保存されたキャッシュファイルが全てのコンピュータへ分配されることになります。(理想としては、現行のキャッシュファイルは、Team Renderを使わずに1台のコンピュータで生成することにより、レンダリング結果にバケットの後100%見えないことが保証されます)

対応するオプションが有効になっている場合、Team Renderが保存するのはキャッシュファイルのみ(自動保存有効時)となりますので注意してください。

サブサーフェイスキャッシュを分配

これは、このオプションが有効になっている場合に全てのコンピュータへと分配されるSSS: 内部拡散反射キャッシュ(モード キャッシュを参照)です。

アンビエントオクルージョンキャッシュを分配

有効にすると、アンビエントオクルージョンキャッシュ(キャッシュを有効を参照)がTeam Renderコンピュータへと分配されます。

イラディアンスキャッシュを分配

有効にすると、イラディアンスキャッシュ(イラディアンスキャッシュを参照)がTeam Renderコンピュータへと分配されます。

ライトマップキャッシュを分配

有効にすると、ライトマップキャッシュがTeam Renderコンピュータへと分配されます。

ラジオシティマップキャッシュを分配

有効にすると、ラジオシティマップキャッシュがTeam Renderへと分配されます。

デフォルトで無効になっているのはこのオプションのみですラジオシティマップはとても大きく、ネットワーク上でのやり取りに多大な時間が必要となります。また、分配されたファイルとしてレンダリングを行うことも難しいです。このオプションは、次の場合に有効にすることができます。

小さいが、質の高いラジオシティマップを使う時(スカイで照らされたプロジェクトなど)。

室内など、大部分のオブジェクトが直接カメラから見えるプロジェクト