PyroCluster - ボリュームトレーサ

ボリュームトレーサは PyroCluster の一部で、効果のレンダリング方法やどこでレンダリングするかをコントロールするものです。ボリュームトレーサの設定はレンダリング後の画質や効果をレンダリングする速度を大きく左右します。この設定に対する厳密な規則はありません。シーンによって、またレンダリングする対象によっても設定は異なりますので、実験を重ねて最適な設定を見つける必要があります。

煙や塵、霞の効果を作成する方法は?

下の図には、一筋の光線が泡の中に差し込んでいるところが描かれていますが、無数のポイントでの計算によってリアルな 3D ボリューム効果が表現されます。PyroCluster はこうした光線を使い、完全な 3D ボリューム効果を作ります。光線が気泡の奥まで差し込むと、各ポイントでフラクタル計算が行われ、正しい体積密度を割り出します。これは膨大な数の計算なので、当然時間もかかります。ボリュームライトを使ったことがあるなら、すでにご存じだと思いますが、ボリューム効果の計算は短時間ではできません。プロセッサの速度が向上すれば、当然 PyroCluster 効果のレンダリング時間もスピードアップします。

PyroClusterを使うと、ボリュームトレーサエンジンを完全にコントロールでき、ボリューム効果をレンダリングするスピードに影響します。ボリュームトレーサは、他のCinema 4Dのマテリアルのようにアクセスできます。やるべきことは、シーンに最低2つのマテリアル(PyroClusterマテリアルとボリュームトレーサマテリアル)を追加するだけです。そのために、マテリアルマネージャの生成/マテリアルメニュー(新規 PyroCluster マテリアル新規 PyroCluster ボリューム/トレーサマテリアル)から該当するポイントを選択します。

ボリュームPyroCluster効果のレンダリング時間を改善するために、使用する距離値を調整します。では、どのようにして正しい値を知るのでしょうか?これは、すべてのボリュームフラクタルが関わる問題で、もうもうとした煙はかなり大きな3Dフラクタルになります。どのような結果になるかをあらかじめ知ることはできません。多くの設定が他の設定と関連し、影響を受けて働き、お互いに目覚ましい効果が得られ、最終結果になります。

ワールド分割サイズが時間短縮に!

先述した通り、PyroCluster は作業効率を上げるよう作られており、レンダリング時間を節約する強力な機能を多数そろえています。シーンの微調整を行う方法は幾通りもあります。とりわけ便利なのはボリュームトレーサ設定です。この中のワールド分割サイズを変更するだけでも、レンダリング時間を何時間も、時には何日分も節約することができます。

ここに使い方の例を上げます:

たとえば、空に大量の雲があるプロジェクトを作成するとします。非常に大きな範囲(半径)を定義して、雲を3Dとして作成します。各雲の半径は2000単位として設定。ワールド分割サイズをデフォルトの0.5のままだと、完全にレンダリングできるまで、一生もしかするとその2倍か3倍かかるかもしれません。つまり、生きているうちにレンダリング結果は見ることはできません。その場合は、ワールド分割サイズを60に上げてください。それでもレンダリングクオリティを損なうことはありません。ただし、各雲の半径が10にして、ワールド分割サイズを60にするとひどい結果になり、モノトーンの球体がそれに点在している状態になります。つまり一つの雲にはなりません。

ワールド分割サイズは、PyroClusterの設定で最も影響のあるパラメータです。

ボリュームトレーサ

PyroCluster 効果は、マテリアルマネージャで特殊なマテリアルを 2 つ作り、それをオブジェクトマネージャで適切なオブジェクトに割り当てるだけ、というシンプルなプロセスで設定できます:

  1. 作成 / 環境 / 環境 を選択し、環境オブジェクトを作成します。
  2. マテリアルマネージャで、作成 / マテリアル / 新規 PyroCluster − ボリュームトレーサ マテリアルを選択して、新規ボリュームトレーサを作成します。
  3. マテリアルマネージャで、作成 / マテリアル / 新規 PyroCluster マテリアルを選択し、新規
  4. PyroCluster シェーダを作成します。
  5. マテリアルマネージャからボリュームトレーサをドラッグして、オブジェクトマネージャの環境オブジェクトにドロップします。
  6. PyroCluster シェーダは、相対するパーティクルシステムに割り当てます。
  7. もし、Thinking Particlesを使っている場合、PyroClusterマテリアルは、TPジオメトリ·オブジェクト(シミュレート / ThinkingParticles)に割り当てて下さい。