マテリアルを固定 タグ

このタグを適用すると、テクスチャとマテリアルをオブジェクトに固定できます。したがって、例えばスプラインデフォーマを使って顔の表情を変えた場合でも、顔のポリゴンの変形にマテリアルが追従し、ずれません。

オブジェクトにマテリアルを固定するには、一般的にUVWマップが使われます。しかしながら、サブディビジョンサーフェイスを使ったオブジェクトにUVWマップを適用すると、ポリゴンの変形が激しい部分でマテリアルが歪んでしまいます。

この問題を図1~4で説明します。図1はサブディビジョンサーフェイスの中に入れる前の枠ポリゴンです。図2は枠ポリゴンをサブディビジョンサーフェイスの中に入れ、平行投影でマテリアルを適用しています。ここまでは問題ありません。しかし図2と図3を比較すると、図3の中には明らかにマテリアルの歪みが見られます。図3は図2のマテリアルをUVWマップに変換した状態です。サブディビジョンサーフェイスを使ったオブジェクトの場合、単純にUVWマップに変換してもうまくゆかないのです。このような場合、マテリアル固定タグを使うと、図4のようにマテリアルを歪ませずにポリゴンに固定できます。

図1
図2
図3
図4

さて、マテリアル固定タグはどのような原理で働くのでしょうか?

マテリアル固定タグを適用すると、Cinema 4Dはその時のオブジェクトの形状を記憶します。そして、この記憶したオブジェクトにマテリアルを投影し、このオブジェクトとデフォーマによって変形されたオブジェクトを比較し、対応するポリゴンにマテリアルを表示するのです。原理的にはUVWマップなのですが、上図2のUVWマップが粗い枠ポリゴンに対するUVWマップなのに比べて、マテリアル固定タグのUVWマップは、サブディビジョンサーフェイスによって細分化された後のオブジェクトに対するUVWマップである点が異なっています。

ポリゴンオブジェクトにポイントを追加するなどして編集すると、マテリアル固定タグの中の情報は消滅します。しかし、デフォーマなどを使ってオブジェクトを変形させる場合、マテリアル固定タグの中の情報は毎回自動的に作成されるので、特に問題とはなりません。

マテリアル固定タグには面白い働きがあります。例えばポリゴンオブジェクトで顔の半分を作成し、対称オブジェクトの中に入れ、顔の半分に平行投影などでマテリアルを適用します。この状態ではマテリアルが左右対称になりませんが、マテリアル固定タグを適用すると、左右対称になります。これはマテリアル固定タグが一時的にマテリアルをUVWマップに変換するからです。もしマテリアルを左右対称にしたくない場合は、マテリアルを対称オブジェクトに適用して下さい。

平行投影が適用され、「貼る面」を表面に設定されているマテリアルに、マテリアル固定タグを割り当てる場合、表面の情報は失われて、オブジェクトの両面にマテリアルが貼り付けられます。