レンダー

サンプリング

頂点、右ピクセル。よく見ると左の画像のヘアの影は無視され、右は影響しています。

ヘアがレンダリングされるときには、ヘア上の異なる位置で、明るい影とカラーが計算されます。そしてその後に補間されます。

ピクセル

補間は一切起こりません-それぞれのピクセルが個別に計算されます。この方法を使えば最もより良い結果を引き出すことができますが、レンダリング時間も長くなります。ヘアのマルチパスはこのモードを常に使います。

または、以下のような状況においては、ピクセルオプションを選択すべきでしょう:

もしもカラーチャンネルにおけるテクスチャが、個々のヘアの上に投影されている場合。

もしも、スペキュラチャンネルに対して変更を加えたかどうかに関係なく、スペキュラライトがあまりにもぼけている場合。

非常に少ない数のヘアセグメントが使われているときは、一般的にレンダリングの質が増加します。

頂点

ヘアセグメントの開始位置と終了位置がサンプリングされて、そして補間されます。

キャッシュ

次のオプションは、フィジカルレンダラーを使用しているときにのみ表示されます。

これらの設定は、レンダリングを加速するためのものですが、その分、質が低下することになります。概して、オプションを有効にしてみて、レンダリング結果がご自分のなかの標準を満たしていることを確認してから、レンダリングの加速を行うことをお勧めします。

簡単に言うと、キャッシュオプションは、ヘア照明オプションである拡散、スペキュラ、間接照明(GI)を、RAM(主にヘア頂点で)に一時的に保存します。一度計算されたこれらの値は、レンダリングの間に複数回使用され、これによって時間が短縮されます。ただし、計算が簡潔化され、その結果、レンダリングの質が落ちる場合があります。これらの効果はとても小さく、見た目ではほとんどわかりません。

左: プライマリレイをキャッシュが無効の場合。右: 有効の場合。

右側のネズミの毛の方が粗い感じに見えますね。ヘアのセグメントは3つのみで、ヘアのマテリアルには右方向のカラー幅が適用されています。右側のヘアのカラーがどのようにブレンドされているかがわかりますね。ここでは、カラーは、4つのヘア頂点について計算され、補間されています。想像してみてください。「ぼけ具合」はカラーのみではなく、スペキュラなどの他のヘア特性にも適用されるため、キャッシュオプションがどのように作用するのかがわかります。

これらキャッシュオプションを使用している時には、アクティブなライトオプション 拡散スペキュラ および GI照明 は正しく機能しません。

次の画像は、様々なキャッシュオプションの組み合わせとその効果を表しています。

左上のヘアのカラー幅が最も良い状態に見えます。この部分にキャッシュは行われていませんが、レンダリングに要する時間は最も長くなります。他の例を見てみると、質はそれほど高くないものの、レンダリングに要する時間は短めになっています。ここに挙げた例では、ヘアセグメントを3つだけ使用して、質の低下を大げさに表しています。通常、使用するセグメントの数はもっと多いので、質の低下はもっと抑えられます。

プライマリレイをキャッシュ

カメラの写角から見たレイの効果をキャッシュします。シェーディング、シャドウ効果およびヘアの鏡面性が含まれます(上の画像を参照)。注意:この機能を使うと、アニメーションにちらつきが生じる場合があります。

セカンダリレイをキャッシュ

セカンダリレイを使って、反射、屈折、マット、ボケおよびGIを計算します。このオプションを有効にすると、これらのエレメントがキャッシュされます。セカンダリレイは、マット、GIレイの上位集合なので、有効にすると、次の2つのオプションを別々に無効にすることができます。セカンダリレイは、プライマリレイのキャッシュされた鏡面性を読み込んだり使用したりすることができません。これらは、透過と反射の後になります。

ぼけのレイをキャッシュ

ぼけた屈折を計算するには、ぼけたレイが必要となります。このオプションが有効の場合、これらがキャッシュされます。

GIレイをキャッシュ

このオプションを使うと、GIサンプラーの効果をキャッシュしますが、グローバルイルミネーションと併用した場合にのみ有効となります。キャッシュされたGIレイの目に見える効果は最小限なので、このオプションは、有効のままにしておいても構いません。逆に、有効にしておくことで、QMCと併用したときのレンダリング時間をさらに短縮することができます。

グローバルイルミネーション

GIサンプリング

最上列は光源で、最下列はポリゴンライトで照らされています。

GIを、ヘアのどこでレンダリングするか、またはキャッシュするかを定義することができます。

ピクセル: ヘア全体がGIでレンダリングされます。最も遅く、最も正確な方法です。

頂点: ヘア頂点のみがGIでレンダリングされます。ピクセルモードととてもよく似た結果となりますが、ヘア法線は、内部的に常にカメラの方を向いているため、全体的に明るめにレンダリングされます。

根本: ヘアは、根元部分のみGIでレンダリングされます。とても短い、薄いヘアでそのシャドウがとても短い場合にのみうまく効果が出ます。GIのちらつきという点では、最も安定したモードです。

GI品質[0..16000%]

この値は、サンプル パラメータの乗数を表します。QMCと併用するためのもので、ヘアとアニメーションとともにさらに多くのサンプルが必要となります(ちらつき防止のために最大400%までの値が必要となる場合があります)。前述のキャッシュオプションを使うとこの設定が反映されます。しかし、GIレイをキャッシュオプションを有効にすると、この設定は無効になります。