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衝突判定のマージン[0..+∞m]

通常、この値は変更不要です。これは特定の衝突タイプにしか影響しません。Cinema 4Dには、内部的な最適化済み衝突アルゴリズムが、下記のとおり用意されています。

ボックス/ボックス (ダイナミクスボディタグにある、ボックス形状の2つの立方体プリミティブ)

球体/球体 (ダイナミクスボディタグにある、楕円形状の2つの球体プリミティブ)

凸面/無限大の平面 (つまり床オブジェクト)

凸面/凸面

凸面/凹面

衝突判定のマージンパラメータは、上記のうち最後の2つの衝突タイプにしか影響を及ぼしません。

ここで、凸面および凹面について簡単に説明します。

凸面:ラバースキンモード (形状凸包オプションを参照)。

凹面:リアルなポリゴンメッシュ (形状固定メッシュオプションを参照)。ただし、その形状を基に簡略化されたタイプと関連付けられない限りでの話です。(多くのプリミティブに当てはまります。)

簡単に言うと、衝突判定のマージンは次のとおり機能します。たとえば、ある立方体からマージンを減算すると、その立方体は縮小します。マージンを再加算すると、その立方体は元の立方体と同じサイズになりますが、そのエッジは丸まった状態になります。

つまり、シャープなエッジは丸められます。

この値は、衝突が不安定または不正確に見える場合に限り変更してください。また、この値を0に設定すると、レンダリング時間は短縮されますが、安定性も低下します。

スケール[0..+∞m]

Cinema 4Dで用いる測定単位がBulletエンジンで再解釈されるようにするための要素です。次の経験則にそのまま従ってください。

シーン内を飛んでいるオブジェクトのサイズが100 Cinema 4D単位である場合、スケールの設定値は100cmのままとします。このサイズが1000 Cinema 4D単位であれば、スケールの値を1000cmに変更します。

この値を変更する必要があるのは、オブジェクトの動作に異常が発生した場合 (つまり計算に狂いが生じた場合) に限られます。

接触で静止への復元寿命[0.00..+∞]

ここで設定した値を基に、衝突時に動作のわずかな狂いを防ぐことができます。互いに支え合ったりもたれ合ったりしているオブジェクト同士が交差することのないよう、弾性のある微小なバンプ (目には見えません) が計算されます。所定の時間が経過すると、このバンプは発生しなくなります。

たとえば、ニュートンの振り子における球体は、当初互いに隣接して静止した状態にあります。もしここで設定した時間間隔が短すぎると、振り子は機能しません。

その他の場合は、速度のしきい値 (線形速度しきい値) に反して、当該オブジェクトは他の全てのオブジェクトから影響を受け続けます。

ランダムシード[-2147483648..2147483647]

MoGraphダイナミクスの計算時には、さまざまな位置でランダムな数値が適用されます。この値を変更すると、異なるランダム値が生成されるため、それに応じてダイナミックオブジェクトの動作に影響が及びます。たとえば、多数のクローンがグラスに流し込まれ、うち1つのクローンの位置が不正確だとします。そこで、ランダムシードの値を変更し、もう一度アニメーションを再生します。ランダムシードの値を変更するたびに、クローンの位置は変わります。

フレームあたりのステップ数[1..1000]

このパラメータは、MoGraphダイナミクスシミュレーションの精度を確保するうえで非常に重要です。この値が大きいほど、計算精度も増します。特に、高速移動するクローンが突き抜けてしまう場合は、この値を大きくしてください。

このパラメータは、所定の時間範囲内の各アニメーションフレームを細分し、フレームごとにダイナミクスを計算するためのものです。

たとえば、立方体を高速で床に衝突させるとします。フレームあたりのステップ数の値を1に設定した場合、もし立方体がフレーム12で床のすぐ上にあり、フレーム13で完全に床の下にあるとすれば、Cinema 4Dでは衝突として登録することができません。この場合は、フレームあたりのステップ数の設定値を大きくします。これにより、(フレーム12.2や12.4などで) 衝突として登録され、正常に計算されます。

設定値が大きいほど精度は増しますが、その分だけレンダリング時間も増します。

ステップにおけるソルバーの最大くり返し数[3..10000]

エラーしきい値[0..100%]

上記のとおり、アニメーションの各フレームはいくつかのサブステップに分割されます。また、サブステップごとに、衝突の接点やコネクタについて複雑な連立方程式を繰り返し解く必要があります。つまりその解は、精度を増しながら段階的に求めます。ステップにおけるソルバーの最大くり返し数フィールドでは、この計算の最大反復回数を設定できます。

エラーしきい値フィールドでは、上記の反復動作をどこで停止するかを決められます。この設定値が大きいほど、(正確な結果に対する) 近似値の精度は落ちます。

以上をまとめると、通常は上記の各設定値を変更する必要はありません。ただし、質量の大きく異なるオブジェクト同士 (一方は重く、もう一方は軽い) が衝突する場合は、それらが互いに交差したり、コネクタが不正確さをもたらしたりすることのないよう、上記の各パラメータのデフォルト値を調整してください。

AVXを使う

このオプションは、使用されているコンピュータのプロセッサが、この新しい「AVX」命令コマンドを理解する場合のみ表れます。現在(2011年第四四半期)では、IntelのSandy Bridgeと Ivy Bridge、AMDのBulldozerなどの一部のプロセッサのみ適用されています。AVXは、衝突コマンド(特に大量のオブジェクトが他のオブジェクトに形状 凸包で衝突するような場合)を高速に計算されます。古いプロジェクトを開いた場合、シミュレーション結果が変わらないように、このオプションはオフになります。