拡散

「拡散」チャンネルは、「カラー」チャンネルを始めとするいくつかのチャンネルを暗くするためにあります。その目的は、マテリアル表面の劣化や汚れ、腐食などを表現することです。これらの要素は、リアルな質感を表現するために欠かせません。拡散チャンネルにテクスチャを読み込んで、その働きを変えることもできます。拡散チャンネルは汚れの度合いを表すので、拡散テクスチャはグレースケールで働きます。もしカラーのテクスチャやシェーダを適用しても、それはグレースケールとして扱われます。拡散テクスチャに含まれる暗いピクセルは、より強い汚れを表し、対応する部分のカラーを暗くします。もちろん、これらの要素をカラーチャンネルのテクスチャに始めから描き込んでおくことも可能です。しかし、本来別の原因によって生じるテクスチャですから(例えば、塗装は洗っても落ちませんが汚れは落ちます)、分けておいたほうが効率よく管理できるでしょう。それに拡散チャンネルを使えば、複数のチャンネルを同時に暗くできます。

拡散チャンネルで異なるノイズの値が設定された各オブジェクト

拡散率[0..100%]

このスライダは、チャンネルのカラーの明るさを調整するときに使用します。スライダを動かした分だけ、明るく/暗くなります。

発光に影響

発光に影響オプションを選択すると、拡散テクスチャが発光チャンネルにも働くようになります(つまり発光チャンネルも汚れます)。拡散テクスチャに含まれる暗いピクセルは、対応する部分の発光を暗くします。

スペキュラに影響

スペキュラに影響オプションを選択すると、拡散テクスチャが 反射チャンネルのスペキュラチャンネルにも働くようになります(つまりスペキュラチャンネルも汚れます)。拡散テクスチャに含まれる暗いピクセルは、対応する部分のスペキュラを暗くします。このオプションはデフォルトで選択されています。

鏡面反射に影響

鏡面反射に影響オプションを選択すると、拡散テクスチャが鏡面反射や環境チャンネルにも働くようになります(つまり鏡面反射や環境チャンネルも汚れます)。拡散テクスチャに含まれる暗いピクセルは、対応する部分の反射率を下げます。

テクスチャ

ここで、画像テクスチャや2Dシェーダを定義します。テクスチャの章を参考にして下さい。

混合モード

カラーパネルで指定した「色」とテクスチャパネルで指定した「テクスチャ」は、4種類の混合モードを使って合成できます。デフォルトのモードは通常ですが、環境チャンネルだけは乗算になっています。また、混合モードがないチャンネルもあります。テクスチャパネルでテクスチャを読み込むと、それはカラーチャンネルで指定した色の上に置かれます(つまり、色は隠されテクスチャだけが表示されます)。

通常

通常モードでは、強度がテクスチャの濃度を変更します。つまり、強度が100%の場合は、テクスチャだけが表示されます(テクスチャが色の上に重なっているからです)。もし、強度が70%の場合は、テクスチャが70%、色が30%の割合で合成されます。

例えば、RGB値(255, 0, 0(赤))のテクスチャが、RGB値(255, 255, 0(黄色))の色の上に重ねられている場合、「強度」を50%にすると、合成された色は(255, 127, 0(オレンジ))になります。

加算

「加算」モードでは、色の値にテクスチャの値が加算されます。値は制限されません。(例: 255/255/255)

減算

「減算」モードでは、テクスチャの値から色の値が減算されます。ただし、減算した値が0%を下回った場合でも、合成された色は0%を下回りません。例えば、RGB値(255, 127, 0(オレンジ))のテクスチャが、RGB値(127, 0, 127(紫色))の色の上に重ねられている場合、「強度」を100%にすると、合成された色は(127, 127, 0(うぐいす色))になります。

乗算

「乗算」モードでは、色の値とテクスチャの値が乗算されます。白を乗算すると合成した色は変わらず、黒を乗算すると合成した色は必ず黒になります。例えば、RGB値(255, 127, 0(オレンジ))のテクスチャが、RGB値(255, 127, 127(桜色))の色の上に重ねられている場合、「強度」を100%にすると、合成された色は(255, 63, 0(オレンジ))になります。

強度[0..100%]

強度は、色とテクスチャもしくは、明るさと透過(選択するモードにより)を合成する割合を変更します。