ステレオ3D

ステレオ3Dカメラ設定では、視点がわずかにオフセットになる2つ以上の画像の作成に関わる全てのプロパティを定義することができます。ステレオ3Dの詳しい情報をここに記載します。

VRステレオ3Dのスフィリカルカメラについての詳細情報は、 こちらにあります。

モード

単一

ステレオ3Dなしの通常のカメラモードです。

対称

通常のステレオ3D画像をレンダリングしたいときには、このモードを使います。ダブルカメラを使用し、右と左のそれぞれのカメラに両眼間隔値の半分が割り当てられます。

パラメータの設定により、カメラオブジェクトのX軸に沿って両方のカメラの位置が決まります:

左: 左カメラが、0に設定され、右カメラは両眼間隔+方向に位置します。

右: 右カメラが、0に設定され、左カメラは両眼間隔-方向に位置します。

両眼間隔[0..+∞m]

この値は、左目と右目の間の距離を定義します。デフォルト値の6.5cmは、人の目の間隔平均値です。通常、この値はできるだけ小さく設定します。値が大きいとその分大きな空間視野となりますが、ビューアにとっても負担の大きいものとなります。例外: カメラから遠くにある地形等のシーンは表示されます。

配置

配置に応じて、両方(またはいくつかの)カメラの方向が異なります。

利用可能ないくつかのオプションは、そのほとんどが互換性のためのものです。ステレオ3Dダブル画像では、(特別な場合を除いて)常に 配置軸をオフに設定します。上の画像でのそれぞれの例はダブルカメラのみを使用したものです。レンダリング設定のステレオ3D設定では、画像をチャンネルでレンダリングするように設定できます(つまり、シーンは何台のカメラの視点からでもレンダリングすることができるわけです)。その配置も上に示してあります。

平行

最もシンプルなステレオ3Dカメラの配置です。両方のカメラが互いに平行になるように配置されています(画像軸も平行)。このタイプの配置によるステレオ3Dの画像は、投影平面の正面にあるオブジェクトのみを表示します。したがって、 視差ゼロ値を変更してヌル平面を動かすことはできません(視差ゼロも参照)。これは次の3つのモードとは対照的な特徴です。

軸をオフ

基本的に平行と同じカメラ配置となりますが、オフセットが伴います(X 方向のフィルムオフセットと同様)。つまり、画像軸はもはや平行ではなく交差しています。この交差のポイントに視差ゼロがあります(次の 視差ゼロ 設定を参照)。オブジェクトは空間的に、投影平面の手前または後ろ(つまり、モニタ上またはモニタ前)にあるように表示されます。

ヒント:このモードは、最も幅広い用途で最高の結果が得られるため、ステレオ3Dダブル画像にお勧めです。

軸をオン

このモードが選択された時は、両方のカメラのZ軸が視差ゼロと交差するよう両方のカメラが回転されます。これは人の目の働きとほぼ同じ現象ですが、垂直方向の視差が生じてしまうため、ステレオ3D画像の作成にはお勧めできません。このモードは、トーインとも呼ばれます。

放射状

このモードは、軸をオンと似ていますが、両方のカメラがZ軸上ではなく弧上にある点が違います(弧の中央点は、両方のカメラの視差ゼロの交差ポイントにあります)。

全カメラを表示

左右両方のカメラ(1つのカメラだけではなく)をビューポートに表示する時はこのオプションを有効にしてください。

視差ゼロ距離[0..+∞m]

視差ゼロは、カメラの表示角度と垂直をなす仮想平面のことで、投影平面の場所を定義します。つまり、モニタ画面をそのデプスで表す平面のことです。カメラから見てこの平面の手前にあるオブジェクトは、ビューアの方向にモニタから空間的に突き出て表示されます。また、この平面の後ろにあるオブジェクトは、モニタ内にあるように表示されます。

ビューポートでは、視差ゼロは、濃い緑色のカメラ平面として中央に表示されます。

視差ゼロフォーカス距離にXPressoを介してリンクすると、ハンドルを使ってビューポートで視野ゼロをインタラクティブに調整することができるようになります。

自動平面

手前平面[0..+∞m]

後平面[0..+∞m]

安全性を重視したい場合は、90を選択し、全ての可視オブジェクトをこの平面の後ろにカメラの方向に向けて置いてください。

自動平面は、レンダリングに影響を与えず、手動で調整が可能な視覚的な参照としての機能しかありません。テストレンダリングにおいてカメラからの定められた距離で最適な空間イメージが得られたと判断した場合は(例えば、視差ゼロが遠くに置かれているのにもかかわらずカメラに近すぎる位置に置かれたオブジェクトは人の目で見るのは難しいものです)、これらの平面をそれに応じて定義し、制限された空間内のビューポートにオブジェクトを正確に配置することができます。

7090のオプションは、近接平面のそれぞれ70秒、90秒の弧角度を表します。技術文献においてこれらの値は、普通の状態で人の目が空間的に視覚できる値として説明されています。したがって、オブジェクトはこの近接平面の後ろに置きます。

最大視差(赤とシアン間の距離(アナグリフ))を定義する数式もあります。

P = tan a * D

P = 視差(Parallax)、D = 投影平面(例えばモニタ)からのビューアの距離(Distance)a = 目が快適に視覚できる2ポイント間の角度(Angle)(最大1.5°またはそれよりも多少小さい値が良い)

モニタおよび目からモニタまでの平均距離を50 cmとすると、13mmの平均参照値が導き出されます。

浮動フレームを表示

(それぞれのカメラから見える)影響を及ぼす領域を有効または無効にします。全カメラを表示 オプションも有効にしておく必要があります。

スフィリカルカメラでのステレオ3Dレンダリング

スフィリカルカメラステレオ3Dの360°ビューのための特別な設定が使用可能です。左右のビューを一つの画像に合成します(左=上;右=下)。

ステレオモード

カメラ軸の様々な ステレオモード(カメラは、パノラマのレンダリングのために内部で回転します)。

以下のオプションを使用できます。

モノラル:ステレオ3D画像はレンダリングされません。

平行:両方のカメラが、ビューの平行軸に配置されます。

交差:両方のカメラのビュー軸がクロスします。焦点距離で交差のポイントを定義できます。

両方のステレオモードの基本的な違いは、ヌルパララックスの定義です。つまり、パララックスが生成されないカメラからの距離です。この空間デプスはビューポートで見ることができます。 交差 を選択すると、ヌルパララックスがターゲット距離設定で定義され、変更することはできません。平行 を選択すると、ヌルパララックスは無限になり、変更することができます(左右パースへの移動で)。

立体視レイアウト

ここで、両方のステレオ画像をどのようにアレンジするか、あるいはどちらかひとつをレンダリングするかを定義します。

両眼間隔[0..+∞m]

この値は両方のカメラ/目の距離を定義します。デフォルトの距離6.5 cmは、人間の目の平均的な距離です。

目から首の距離[0..+∞m]

どのターゲットモデルでレンダリングするかによって(このシステムは、Oculus Rift ターゲットシステムで働きます)、首「第1頸椎」(またはC1)から目までの水平距離を定義します(上図参照)。第1頸椎は回転式ジョイントで、これを軸にして頭((前方の)目も含め)を回転します。カメラの回転ポイントは、目から首の距離0に設定すると、両方のカメラの中央ではなくなります。

焦点距離[0..+∞m]

ステレオモード交差に設定すると、この設定でヌルパララックスをどこにするかを定義できます。このポイントの正面にあり、カメラのビュー方向に面したオブジェクトは、モニタから表示のほうに突き出します;このポイントの後にあるオブジェクトは、モニタに「シンク」します。

天極のスムージング

地極のスムージング

技術的な理由で、ステレオ3Dはポール周辺では正確にレンダリングできません。アーティファクトを防ぐために、ステレオ効果はこの領域に徐々にフェードします。多くの場合、視覚的に重要なエレメントはほとんど、カメラ位置の周辺に水平になっているため(上下に垂直ではなく)、問題なく実行できます

スムージングは、天極と地極に別々に定義されます。スムージングを実行する領域では、スムージングを可能な限り最大にして同じになるまで、ビューは左右のカメラで平均化されます。スムージングのタイプは以下のとおりです。

天のスムージング角度[-90..0°]

天極の指数[0.00..10.00]

地のスムージング角度[0..90°]

地極の指数[0.00..10.00]

開始から極まで、どのようにスムージングを実行するかは、設定したスムージング角度を使って、リニアオプション(直線的に強度を増加、つまり急速な展開)または指数(急激な強度の増加、つまり徐々に展開)で決定します。天極/値極の指数 の設定を使って、指数オプションに影響を与えます。