GIポータルとポリゴンライト:機能と配置
簡単に言えば、グローバルイルミネーションは、ランダムに分配された光線(シーン内で無数のポイントに向かって"ビーム”されたもの)に基づいて計算されます。それによって特定の各エリアの明るさやカラーを決定します。本来、多数の光線が任意のポイント(その照明とは見当違いのポイント)のエリアに到達します。ライトがシーンに入るエリアに対して、多数の光線が集中することの方がもっと重要です。それがライトと影の計算をもっと正確なものにします。
GIポータルとポリゴンライトを配置できる位置において、窓、ランプ、光を放射するその他のオブジェクト(例えばテレビ)をオブジェクトとして使用することができます。なぜならGI計算を最適化するためです。
ですから、小さなサーフェイスからライトが放射される所に「GIポータルとポリゴンライト」を配置すると、これらは主に効果的です。このことは、窓やドアから部屋に入ってくるライトがあるインドアシーンの場合と同様です。アウトドアの空の照明とポータルを併用しても、ポータルは役に立ちません。
GIポータルとポリゴンライトの異なる適用エリアは次の通りです:
GIポータル:部屋にライトが(例えば外部から)差し込む壁の開口部分。これらのポータルのマテリアルは、その ポータルオプション(GI設定マテリアルチャンネル)をオンの状態にしなければなりません。
ポリゴンライト:ライト(GIのみ)を放射するように設計されているオブジェクト、例えばランプなど。これらのオブジェクト("ポリゴンライト”とも呼ばれます)は、発光チャンネルが有効で、ポリゴンライトのオプションがオンになっているマテリアルが適用されているオブジェクト。
次の例では、ポータルまたはエリアライトに対して、追加的なレイ(光線)が照射されます。照射されるレイの数は、GI エリアを個別サンプリング もしくは 空/スカイを個別サンプリング オプションで指定します。それ以上の設定がない場合は、ライトマップにもメリットがあります。
ライトが主に半球状の空からやってくるアウトドアシーンをレンダリングする場合には、ポータルとポリゴンライトは必須ではありません。
GIポータルをどこに配置するべきでしょうか?
GIポータルは窓の位置に配置/フィットさせるべきです。横棒枠を持つ窓の位置に配置する場合、複数のGIポータルにより全体の質を高めます。
GIポータルは一般的には、比較的小さな開口部を通して部屋に差し込む光の位置に配置されている「単一のポリゴンサーフェイス(例えば 平面プリミティブ)」で構成されます。法線が向く方向は関係ありません。該当する窓や開口部とマッチするように、各GIポータルの形状をフィットさせてください。もしもGIポータルが大きすぎる場合には(例:周囲の壁にまで到達する場合)、アーティファクトが生じることがあります(特にQMCモードにおいて顕著です)。不正確なGIポータルの場合は、結果としてGIの精度が下がり、より"粗く”なります。
より正確な結果を出すために、横棒枠を持つ窓に対しては、複数のGIポータルを適用するべきです(上図参照)。単一のGIポータルを適用すると横棒枠を覆うことになるので、リアルさが落ちます。
その一方で、例えば個々のGIポータルを蜂の巣状のフレームを持つ窓や、あるいはステンドグラスの一枚一枚に割り当てるのはやり過ぎでしょう。そのようなケースにおいては、GI計算からそういった細かな構造を除外することを検討すべきです(例:コンポジットタグを使用する)。
多様なGIポータルとポリゴンライトの使用可能なサンプリング方法を忘れないでください(私たちの例においては、特にピクセル単位QMCサンプリングそしてサンプルモードを使えば非常に正確な影を作成することができます)。これらのサンプリング方法は、クオリティとレンダリング時間の両方に影響を与えます!