オブジェクトの属性

タイプ

コネクタの動作は、タイプフィールドで選択したオプションによって異なります。各オプションには、独自のパラメータが含まれています。

各種コネクタの動作し得る方向

ヒンジ

ヒンジでは、その軸を中心とした2方向にのみ回転させることができます。この回転動作は、コネクタのX軸およびY軸によって設定した平面上でのみ起こります。必要に応じて、回転角度を制限することもできます。

カルダン

カルダンジョイントは基本的に、互いに90°の角度で接続された2つのヒンジで構成されます。このため、比較的複雑な動作が可能です。角度のある箇所でトルクを伝達するのによく用いられます。この機能を用いるには、下記の条件を満たす必要があります。

必要に応じて、いずれかの方向に回転を制限することもできます。

ボールとソケット

ボールソケットジョイントは、3D回転させることができます。人間の肩関節などがこの類に該当します。

ラグドール

ラグドールコネクタは、ボールソケットジョイント (上記参照) の一種です。この回転角度は、円錐状の空間内に制限されます。回転制限は、オブジェクトBの垂直軸にも設定できます。

なお、このコネクタ名である「ラグドール」とは、縫いぐるみ人形のことです。人間の関節 (股関節、肩関節など) の作成に使用できることにちなんで命名しました。

ラグドールコネクタを用いると、人間の関節の自然な動作を実現できます。

スライダ

スライダを選択すると、コネクタはZ軸沿いにしか移動できなくなります。

つまり、その移動範囲はZ軸の長さの範囲内に限られます。

ツイストスライダ

ツイストスライダを選択すると、コネクタはZ軸沿いにしか移動できなくなります。ただし、上記のスライダとは異なり、このスライダではその軸を中心にコネクタを回転させることもできます。つまり、その動作範囲はZ軸の長さおよびその周囲に限られます。

平面

平面を選択すると、コネクタの移動範囲はそのXY平面上における4方向に限られます。

ボックス

ボックスを選択すると、コネクタの移動範囲はそのXYZ平面上における6方向に限られます。

ホイールサスペンション

このタイプは、他とはやや異なります。この場合のコネクタは、Y軸方向に移動させたり、Z軸を中心に回転させたりすることができます。これだけなら特別なことはありませんが、このタイプではコネクタのY軸沿いにスプリング効果も作成できます。たとえば、ステアリングを含めたホイール構造のダイナミックなスプリング効果を、すばやくかつ簡単に作成できるので、車に最適です。

固定

このタイプを選択すると、あらゆる動作が完全に抑制されるので、あるオブジェクトを別のオブジェクト上へ基本的に固定できます。

別の方法でこれを実現するとすれば、コネクタを介してオブジェクト同士を接続するのではなく、あるオブジェクトを別のオブジェクトの子オブジェクトにし、この組み合わせをダイナミクスオブジェクト (タグの継承 階層全体を衝突判定) として用いることが挙げられます。

Aの結合位置

Bの結合位置

さまざまな抑制ラインでコネクタを用いることにより、上昇する飛行船が適切な位置に保たれています。

オブジェクトが力に導かれるとき必ず重要となるのは、当該オブジェクト上のどのポイントでその現象が生じるかです。たとえば、ハードボディオブジェクトの重心にモーターがあるとします。このオブジェクトは、このモーターによって押されると、(他に働く力がない限り)まっすぐに移動します。また、このオブジェクトの重心の外側に力が及んだ場合は、必然的にトルクが発生し、このオブジェクトは回転します。

一方、ソフトボディオブジェクトの動作は上記と異なります。各オブジェクトポイントは、スプリングを介して互いにつながっています。1つのポイントにのみ力が及んだ場合、その影響は比較的大きな領域に広がりますが、思いどおりの結果を得られないことがあります。

結合Aおよび結合Bの各パラメータは、下記の各ダイナミクスオブジェクトに使用できます。

質量の中心

このオプションには、付加的な設定内容は含まれていません。力は、所定のオブジェクトの重心で生成されます。ソフトボディオブジェクトが変形することはありません。

ポリゴンポイント

このオプションでは、力の起点となる特定のオブジェクトポイントを選択できます。影響範囲の設定値を調整することにより、このポイントの周辺領域(オブジェクトに力が及ぶ範囲)を拡大/縮小できます。なお、これはソフトボディオブジェクトにのみ関連するものであり、コネクタを併用してリジッドボディに適用した場合は無効となります。

ポイント選択範囲

力は、マップによって適用することもできます(ポイント選択範囲タグまたは頂点マップ)。この他にも、選択した(またはウェイト設定を施した)ポイントに影響を及ぼす度合を調整するためのパラメータなどが用意されています。

オブジェクトA

オブジェクトB

オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドは、下記の各ダイナミクスオブジェクトの場合に表示されます。

これらの各オブジェクトは、さまざまな方法により、他の2つのオブジェクトと互いに接続しています。

いずれのオブジェクトも、オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドにドラッグできます。オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドのうち、いずれか一方を空のままにすると、下記の結果になります。

オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドに接続対象オブジェクトをドラッグする順序がどうであれ、ラグドールまたはホイールサスペンションのうちいずれかのタイプを選択しない限り、機能しません。

モーターダイナミクスを用いる場合に、オブジェクトAおよびオブジェクトBのうちいずれか一方のフィールドが空のままである場合:物理法則 (作用・反作用) によれば、ある物体が別の物体に力を及ぼすと、後者は前者に対しそれと同じ大きさの力を、同一直前上で逆方向に及ぼします。しかしこの法則は、オブジェクトAおよびオブジェクトBの両方のフィールドにオブジェクトが入力されていないと成立しません。たとえばヘリコプターは、回転翼がモーター駆動で回転します。同時にその機体には、同一直線上で働く力が及びます。これは尾部回転翼によって相殺されます。でないと、機体はその垂直軸を中心に回転してしまいます。

Aの参照軸

Bの参照軸

基準軸は、回転するコネクタやスプリングのように、回転角度を測定する必要がある場合に不可欠です。コネクタ、スプリングいずれの場合も、その回転動作は特定の範囲内に制限できますが、両者は同じ回転面上に存在することが必要です。

コネクタ

上図をよく見てください。いずれのコネクタも、回転角度が制限されており、リミットストップおよびリミットストップ表示を伴っています。リミットストップ表示 (オブジェクトBに所属) が、オブジェクトBの軸とちょうど平行に配置されていることに注目してください。リミットストップにも同様のことが当てはまります。

また、ここではオブジェクトのYオプションを選択しても無意味であることがわかります。リミットストップ、リミットストップ表示のいずれも、それに合わせて配置されることはあり得ないからです。

たとえば、コネクタがちょうどオブジェクトAの軸上にあるとします。もし軸Aを参照オブジェクトに向くに設定すると、大きな混乱を招くことになります。この場合のオブジェクトとは、まさにコネクタのことだからです。したがって、オブジェクトの軸をいずれか1つ決める必要があります。

ねじれスプリング

ねじれスプリングも同様に動作します。スプリングの各端 (青色) が、所定の軸に配置されていることに注目してください。この場合は、オブジェクトのXオプションを選択しても無意味です。

多くの場合、基準軸を手動調整する必要は全くありません。しかし、上記のような場合は、ジンバルロックを回避するために調整が必要です。上図の場合は、もしコネクタやスプリングが90°前方へ傾くと、シンバルロック状態となります。これを回避するには、前述のとおり、コネクタやトーションスプリングをビューポート内で適切に (つまりその回転方向に応じて) 配置します。

やや複雑に感じられるかもしれませんが、実際にパラメータを用いて試してみれば、理解を深めることができます。パラメータの値を変更するときは、必ずリミットストップおよびリミットストップ表示を監視してください。

各種コネクタの、リミットストップおよびリミットストップ表示

インデックス[-2147483648..2147483647]

インデックス[-2147483648..2147483647]

これはオブジェクトのインデックス番号です。内部的には、ポリゴンオブジェクトの全てのポイント(生成されたポイントを含む)に割り振られる番号です。値をブラウズすると、ビューポート内にこの番号がインタラクティブに表示されます。

全てのオブジェクトポイント(ただし、ポリゴンオブジェクトの場合のみ)は、構造マネージャに一覧表示されます。

マップ

マップ

このフィールドには、ポイント選択範囲タグまたは頂点マップをドラッグできます。

影響範囲[1..1000%]

影響範囲[1..1000%]

ソフトボディの場合、単一のオブジェクトポイントに対する力の影響を処理するのは難しく、リアル感が失われがちです。そこで、影響範囲パラメータを用いると、ポイントの周辺領域(力の影響が及ぶ範囲)を定義できます。この値を100% に設定すると、メッシュ全体が含まれます。これにより、ポリゴンポイント(またはポリゴン選択範囲)自体に100%のウェイト設定が施され、そこから最も離れたポイントに0%のウェイト設定が施されます。設定値が低いほど、力の影響を受けるポイントの数も少なくなります。1%前後の値に設定した場合は、当該選択ポイントまたは選択範囲にしか影響しません。(ただし実際には、内部に組み込まれている保護的な仕組みにより、より大きな値が有効になります。)

低めの設定値が有効なのは、ポイント選択によって定義した比較的大きな領域を、ダイナミクスコネクタ/スプリング/モーターに接続する場合です(コネクタを介して円に接続する、ソフトボディの管など)。

形状保持[0.00..+∞]

形状保持[0.00..+∞]

ソフトボディ上で強調表示されたポイント選択範囲をスプリングによって引き出し、その上に球体を落とします。この場合、形状を保持の設定値が低いと右上の図のようになり、設定値が高いと右下の図のようになります。

この値は、頂点マップの影響を受ける選択範囲/ポイントのジオメトリを、力によって変形させる度合を設定するためのものです。設定値が低いほど変形の度合は大きくなり、設定値が高いほど変形の度合は小さくなります。

ダンピング[0..+∞%]

ダンピング[0..+∞%]

オブジェクトの形状を元に戻すときは、スプリングを用います。この減衰の度合は、この値を通じて調整できます。この設定値を小さくすると、効果の強度が増します。

衝突判定を無効

このオプションは、コネクタによって互いに関連付けられているオブジェクト同士の衝突にのみ影響します。シーンを作成したり特定の構造をテストしたりする場合に、衝突が検知されないようにすることができます。

円錐半径[0..89°]

タイプフィールドでラグドールを選択した場合は、動作範囲が円錐状の空間内に制限されます。その円錐状空間の開口端のサイズを、このフィールドで調整できます。

楕円

円錐半径 Y[0..89°]

楕円オプションをオンにすると、円錐半径Yの設定値を基に、(完全な) 円錐が押し付けられます。

ステアリング角度[-∞..+∞°]

これと下記の4つの各フィールドは、タイプフィールドでホイールサスペンションを選択した場合に限り使用できます。

ステアリング角度では、コネクタのY軸を中心とした、ステアリングロックの角度を設定できます。これにより、車のステアリング特性についてリアルなアニメーションを作成できます。

サスペンション停止位置[-∞..+∞m]

このフィールドでは、コネクタの原点を基に、サスペンションの静止位置を設定できます。負の値にすると、車は押し上げられます。

サスペンションの固さ[0.00..+∞]

このフィールドでは、スプリングが静止位置から伸縮するのに必要な力の量を設定できます。スプリングが堅いほど、その伸縮にはより大きな力が必要になり、より反発しにくくなります。

サスペンションダンピング[0..+∞%]

このフィールドでは、車のサスペンションのショックアブソーバーに見られるような減衰効果を設定できます。この効果により、タイヤが常に路面に接していられるだけのスプリングの固さを確保できます。サスペンションダンピングの設定値が大きいほど、ホイールの柔軟性は低下します。

反発[0..+∞%]

上限Yまたは下限Yフィールドで角度限界を設定した場合は、各限界値に達したオブジェクトをどう反発させるかを反発フィールドで設定できます。

下限 X

開始[-∞..+∞m]

上限 X

終了[-∞..+∞m]

下限 Y

開始[-∞..+∞m]

上限 Y

終了[-∞..+∞m]

下限 Z

開始[-∞..+∞m]

上限 Z

終了[-∞..+∞m]

可動タイプのコネクタの場合、その動作範囲はコネクタの原点から伸びた各軸に限定されます。

回転制限

回転制限 2

開始[-∞..+∞°]

終了[-∞..+∞°]

フォースで破断

フォース[0..+∞m]

トルクで破断

トルク[0.00..+∞]

フォースやトルクの固定の設定に限界を定義することができます。コネクタに影響するフォースがこの値を超えると、コネクタがブレークし、無効になります。

プロジェクトやエフェクトによっては、とても高い値(最大6ケタ)を使う必要があります。例えば、デフォルトのプロジェクト一般設定で立方体を定位置に維持するには、およそ1000の値を入力する必要があります。

値を高くすると、コネクタをさらに安定させることができ、低くすると、それに応じてコネクタが容易にブレークしてしまいます。

ヒント:XPresso(ダイナミクスコネクタ状態ノード)を使って、他のコネクタをブレーク(または「修理済み」)することもできます。
回転制限が設定された各種コネクタ。動作範囲は、黄色の回転制限の範囲 (各例のうち矢印が指す部分)内に限られます。

回転制限 は、回転可能なタイプのコネクタのほとんどに設定できます。全ての 回転制限 を設定したら、ヒンジの軸を中心に (またはスライダ沿いに) 何回でもオブジェクトを回転させることができます。回転制限は、一つの回転に範囲にのみ影響しますので、注意してください。

カルダンタイプのコネクタは、回転レベルが2つあるので、回転制限 2フィールドでその動作範囲をさらに限定できます。