オブジェクトの属性

タイプ

直線

このタイプでは、オブジェクトAオブジェクトBとの間に、直線的で螺旋状のスプリングが作成されます。この場合、スプリングの位置を気にする必要はありません。(ただし、上記のオブジェクトのうちいずれか1つが定義されていなかった場合は別です。)

回転

このタイプでは、回転スプリング (トルクが生成されるスプリング) が作成されます。その原点はオブジェクトの重心にあります。このタイプのスプリングは、両オブジェクトに共通の回転中心に配置してください。なお、かつては腕時計の駆動部の製造に用いられていました。

直線と回転

上記の両タイプが有効になります。

オブジェクトA

オブジェクトB

オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドは、下記の各ダイナミクスオブジェクトの場合に表示されます。

これらの各オブジェクトは、さまざまな方法により、他の2つのオブジェクトと互いに接続しています。

いずれのオブジェクトも、オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドにドラッグできます。オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドのうち、いずれか一方を空のままにすると、下記の結果になります。

オブジェクトAおよびオブジェクトBの各フィールドに接続対象オブジェクトをドラッグする順序がどうであれ、ラグドールまたはホイールサスペンションのうちいずれかのタイプを選択しない限り、機能しません。

モーターダイナミクスを用いる場合に、オブジェクトAおよびオブジェクトBのうちいずれか一方のフィールドが空のままである場合:物理法則 (作用・反作用) によれば、ある物体が別の物体に力を及ぼすと、後者は前者に対しそれと同じ大きさの力を、同一直前上で逆方向に及ぼします。しかしこの法則は、オブジェクトAおよびオブジェクトBの両方のフィールドにオブジェクトが入力されていないと成立しません。たとえばヘリコプターは、回転翼がモーター駆動で回転します。同時にその機体には、同一直線上で働く力が及びます。これは尾部回転翼によって相殺されます。でないと、機体はその垂直軸を中心に回転してしまいます。

Aの参照軸

Bの参照軸

基準軸は、回転するコネクタやスプリングのように、回転角度を測定する必要がある場合に不可欠です。コネクタ、スプリングいずれの場合も、その回転動作は特定の範囲内に制限できますが、両者は同じ回転面上に存在することが必要です。

コネクタ

上図をよく見てください。いずれのコネクタも、回転角度が制限されており、リミットストップおよびリミットストップ表示を伴っています。リミットストップ表示 (オブジェクトBに所属) が、オブジェクトBの軸とちょうど平行に配置されていることに注目してください。リミットストップにも同様のことが当てはまります。

また、ここではオブジェクトのYオプションを選択しても無意味であることがわかります。リミットストップ、リミットストップ表示のいずれも、それに合わせて配置されることはあり得ないからです。

たとえば、コネクタがちょうどオブジェクトAの軸上にあるとします。もし軸Aを参照オブジェクトに向くに設定すると、大きな混乱を招くことになります。この場合のオブジェクトとは、まさにコネクタのことだからです。したがって、オブジェクトの軸をいずれか1つ決める必要があります。

ねじれスプリング

ねじれスプリングも同様に動作します。スプリングの各端 (青色) が、所定の軸に配置されていることに注目してください。この場合は、オブジェクトのXオプションを選択しても無意味です。

多くの場合、基準軸を手動調整する必要は全くありません。しかし、上記のような場合は、ジンバルロックを回避するために調整が必要です。上図の場合は、もしコネクタやスプリングが90°前方へ傾くと、シンバルロック状態となります。これを回避するには、前述のとおり、コネクタやトーションスプリングをビューポート内で適切に (つまりその回転方向に応じて) 配置します。

やや複雑に感じられるかもしれませんが、実際にパラメータを用いて試してみれば、理解を深めることができます。パラメータの値を変更するときは、必ずリミットストップおよびリミットストップ表示を監視してください。

各種コネクタの、リミットストップおよびリミットストップ表示

Aの結合位置

Bの結合位置

さまざまな抑制ラインでコネクタを用いることにより、上昇する飛行船が適切な位置に保たれています。

オブジェクトが力に導かれるとき必ず重要となるのは、当該オブジェクト上のどのポイントでその現象が生じるかです。たとえば、ハードボディオブジェクトの重心にモーターがあるとします。このオブジェクトは、このモーターによって押されると、(他に働く力がない限り)まっすぐに移動します。また、このオブジェクトの重心の外側に力が及んだ場合は、必然的にトルクが発生し、このオブジェクトは回転します。

一方、ソフトボディオブジェクトの動作は上記と異なります。各オブジェクトポイントは、スプリングを介して互いにつながっています。1つのポイントにのみ力が及んだ場合、その影響は比較的大きな領域に広がりますが、思いどおりの結果を得られないことがあります。

結合Aおよび結合Bの各パラメータは、下記の各ダイナミクスオブジェクトに使用できます。

質量の中心

このオプションには、付加的な設定内容は含まれていません。力は、所定のオブジェクトの重心で生成されます。ソフトボディオブジェクトが変形することはありません。

ポリゴンポイント

このオプションでは、力の起点となる特定のオブジェクトポイントを選択できます。影響範囲の設定値を調整することにより、このポイントの周辺領域(オブジェクトに力が及ぶ範囲)を拡大/縮小できます。なお、これはソフトボディオブジェクトにのみ関連するものであり、コネクタを併用してリジッドボディに適用した場合は無効となります。

ポイント選択範囲

力は、マップによって適用することもできます(ポイント選択範囲タグまたは頂点マップ)。この他にも、選択した(またはウェイト設定を施した)ポイントに影響を及ぼす度合を調整するためのパラメータなどが用意されています。

インデックス[-2147483648..2147483647]

インデックス[-2147483648..2147483647]

これはオブジェクトのインデックス番号です。内部的には、ポリゴンオブジェクトの全てのポイント(生成されたポイントを含む)に割り振られる番号です。値をブラウズすると、ビューポート内にこの番号がインタラクティブに表示されます。

全てのオブジェクトポイント(ただし、ポリゴンオブジェクトの場合のみ)は、構造マネージャに一覧表示されます。

マップ

マップ

このフィールドには、ポイント選択範囲タグまたは頂点マップをドラッグできます。

影響範囲[1..1000%]

影響範囲[1..1000%]

ソフトボディの場合、単一のオブジェクトポイントに対する力の影響を処理するのは難しく、リアル感が失われがちです。そこで、影響範囲パラメータを用いると、ポイントの周辺領域(力の影響が及ぶ範囲)を定義できます。この値を100% に設定すると、メッシュ全体が含まれます。これにより、ポリゴンポイント(またはポリゴン選択範囲)自体に100%のウェイト設定が施され、そこから最も離れたポイントに0%のウェイト設定が施されます。設定値が低いほど、力の影響を受けるポイントの数も少なくなります。1%前後の値に設定した場合は、当該選択ポイントまたは選択範囲にしか影響しません。(ただし実際には、内部に組み込まれている保護的な仕組みにより、より大きな値が有効になります。)

低めの設定値が有効なのは、ポイント選択によって定義した比較的大きな領域を、ダイナミクスコネクタ/スプリング/モーターに接続する場合です(コネクタを介して円に接続する、ソフトボディの管など)。

形状保持[0.00..+∞]

形状保持[0.00..+∞]

ソフトボディ上で強調表示されたポイント選択範囲をスプリングによって引き出し、その上に球体を落とします。この場合、形状を保持の設定値が低いと右上の図のようになり、設定値が高いと右下の図のようになります。

この値は、頂点マップの影響を受ける選択範囲/ポイントのジオメトリを、力によって変形させる度合を設定するためのものです。設定値が低いほど変形の度合は大きくなり、設定値が高いほど変形の度合は小さくなります。

ダンピング[0..+∞%]

ダンピング[0..+∞%]

オブジェクトの形状を元に戻すときは、スプリングを用います。この減衰の度合は、この値を通じて調整できます。この設定値を小さくすると、効果の強度が増します。

適用

オブジェクトAの説明で触れたとおり、「action = Reactio」は両方のオブジェクトに適用されます。これらのオブジェクトのいずれか1つに、力/トルクが非現実的に及ぶようにするには、この設定内容を適用します。

静止距離[0..+∞m]

静止角度[-∞..+∞°]

静止距離をセット

静止角度をセット

スプリングの実際の長さは、それが静止状態にある場合の長さです。(このとき、ここから力は及ぼされません。)スプリングの現在の長さを静止状態での長さに設定する場合は、静止距離ボタンをクリックします。

固さ[0.00..+∞]

固さ[0.00..+∞]

スプリングは、その固さ (物理学では「ばね定数」といいます) により、その伸縮に要する力の度合が決まります。固さほど伸縮しにくく、かつ振動しにくくなります。

ダンピング[0..+∞%]

ダンピング[0..+∞%]

どのスプリングも、最終的には振動しなくなります。スプリングが停止するまでの速度は、それをなす素材の摩擦の度合によります。この効果は、ダンピングの値を用いて、ダイナミクスによってシミュレートできます。この値を0に設定すると、(関連するオブジェクトに独自のダンピング値が設定されていない限り) スプリングはいつまでも振動し続けます。ダンピングの設定値が大きいほど、スプリングが停止するまでの速度が増します。

<アンカープラスチック>

修正、ブレークされたスプリング

これらの値は、スプリングの静止距離の修正に影響します。同様に、角度スプリング値は角度の動きにのみ影響します。

弾性伸長限界

[0..+∞m]

弾性圧縮限界

[0..+∞m]

弾性伸長限界

[0..+∞°]

弾性圧縮限界

[0..+∞°]

定められた限界値(静止距離値または静止角度値を視点とする)の中でスプリングがストレッチしている限り、そのビヘイビアは弾性的になり、それにかかるフォースがなくなると元の静止距離または静止角度に戻ります。これらの値が限界値を超えると、スプリングはプラスチックのように変形します(すなわち、もとの静止距離または静止角度に戻らず変形したままになります)。シンプルな例: 静止距離100%弾性伸長限界20 cmのスプリングがあります。スプリングを150 cmの長さまで引っ張ると、そのスプリングの新しい静止距離は130cm(150 - 20 = 130)になります。

伸長で破断

[0..+∞m]

圧縮で破断

[0..+∞m]

伸長で破断

[0..+∞°]

圧縮で破断

[0..+∞°]

ここで定めた限界(静止距離値または静止角度値を始点とする)を超えてスプリングをストレッチまたは圧縮すると、そのスプリングはブレークします(すなわち、スプリングとして機能しなくなり、無効となります)。