法線
このマテリアルチャンネルは、法線マッピングによる法線テクスチャに対して使われます。ところで一体、法線マッピングとは何なのでしょうか?
法線マッピングは、コンピュータゲーム開発に由来するテクニックです。これは、短いレンダリング時間で、ポリゴン数が小さい(詳細レベルが低い)オブジェクトに対して、詳細かつ構造的な見た目のサーフェイスを付与することができる、というものです。
高さのデータを生成するにあたって、バンプマッピングはグレースケールのビットマップを使用します。法線マッピングは、コード化された法線の向きを持つRGBテクスチャを使用します(法線は様々な方向に向きます)。
法線テクスチャは次の図のような見た目になります:
この一風変わった色には、サーフェイス上の各ポイントに関する「コード化された法線の向き」が含まれています:赤、緑、青のそれぞれのカラーチャンネルは、一次元(X、Y、Z)を表しています。法線の向きは現在、ジオメトリによって規定されるのではなく、法線テクスチャによって規定されるようになっています。
法線テクスチャの作成は、マテリアルをベイク...またはオブジェクトをベイク...オプション(どちらのオプションも、オブジェクトマネージャのオブジェクトメニューにあります)を使って行えます。さらにより簡単に、(バンプテクスチャのような通常の色のテクスチャを読み込んで)法線変換シェーダ を使ってもできます。
もしこのような法線テクスチャを法線マテリアルチャンネル内に入れた場合、レンダリング結果は、ポリゴン数が多いオリジナルのオブジェクトと非常に似た形になります(特にライトがアニメートされている場合はその結果が顕著に現れます)。なぜなら、光源の位置に対して影とハイライトが反応するため、これによって非常に鮮明なレンダリング結果になるからです。
構造作成方法のセクションには、法線マッピングのための別の方法が説明されていることにもご注意ください。
法線マッピングの強度をここで調整します。ただし、非常に高い値は使わないでください。特殊効果がだんだん非現実的になってしまいます。
基本的に、使用する値が高いほど、サーフェイスに対してビューがより垂直な位置にある必要があります。これは、サーフェイスの見た目をリアルに保つためです。
法線マップを定義できる方法がいくつかあります。その概要は次の通りです:
タンジェント:最も一般的な方法です。法線の向きはその下にあるサーフェイスに従って定義されます。自己変形オブジェクト(つまり、キャラクターアニメーション)に対しては、これは理想的な方法です。それらのテクスチャのほとんどは、明るい青色または明るい緑色であるカラー表示によって識別することができます。これらのエリアにおいて、法線はサーフェイスに対して垂直になっています。
オブジェクト:オブジェクトの座標系を使って、法線の向きをコード化します。それらのテクスチャは、ほとんどの部分において、虹色で放射します。
ワールド:ワールド座標系を使って、法線の向きをコード化します。これは、アニメートされない、静止オブジェクトに対してのみ使用します。これらのテクスチャもまた、ほとんどの部分において、虹色で放射します。
これらの中からひとつ方法を選択する場合は、法線テクスチャを作成するためにどの方法が使用されたかを知っていなければなりません。その方法を、確実にここで定義する必要があります。マテリアルをベイク...オプションを使ってCinema 4Dで作成された法線テクスチャを使いたい場合は、それらの設定が確実にここでも使われていなければなりません。
法線変換シェーダは、タンジェントを使います。
法線テクスチャを(マテリアルをベイクタグを使って)Cinema 4Dでベイクした場合、ベイクで指定した方式とマテリアルの方式を一致させる必要があります。
法線テクスチャを生成する標準的な方法というものはありませんから、各アプリケーションがそれぞれの方法を採用しています:ときに緑色、または青色がY方向に使われます。互換性を最大限発揮するために、これらの設定を使ってすべての色のコンポーネントを切り替えることができます。
次に挙げる手法が、タンジェントに対して適用できるルールです:
もし法線テクスチャのほとんどが明るい緑色の場合は、YとZを入れ替え(Yを上)をオンにしてください。
もし法線テクスチャのほとんどが明るい青色の場合は、YとZを入れ替え(Yを上)をオフにしてください。
ここで、画像テクスチャや2Dシェーダを定義します。テクスチャの章を参考にして下さい。